この支払い不能と認められるためには、以下の3つの要件が必要です。
1.債務を返済する能力がないこと
注意してほしいのは、今現在は財産がなくても、その人の信用力あるいは働くことによって返済資金を調達することがある程度簡単にできるのであれば、返済する能力がないとは言えない、ということです。逆に、財産はあっても、それを金銭に換えることが難しいのであれば、返済する能力がないといえます。
2.返済期限が来ていること
将来の債務や返済に猶予期限が付けられている債務について、その期限到来前に支払い不能になるということがないのは、当たり前といえば当たり前ですね。
3.今後も引き続き返済できないことが明らかであること
返済できない状態は、今後も継続していくことが明らかでなければなりません。つまり、一時的にお金が足りないというのでは不十分だということです。
支払い不能かどうかの判定は、その人の収入・資産状態・社会的地位によって大きく変わってきます。 結局、いくら借金があれは自己破産できるかというのは一概に言えないことになります。
ぜひ、この判断だけでも早めに専門家にご相談されることをおすすめします。
申立てをすると、裁判所が破産者を免責する(借金をゼロにする)かどうか審理します。そして、以下の免責不許可事由に該当しない限り免責決定がされます。
1.開始決定時に持っていた財産を隠したり、壊したり、債権者に不利益な処分をしたとき
2.開始決定時に持っていた財産の負担を偽って増加させたとき(虚偽の抵当権をつけるなど)
3.商業帳簿を作る義務があるのに作らなかったり、不正確または不正の記載をしたり、あるいは帳簿を隠したり、破り捨てたりしたとき
4.浪費やギャンブルなどで著しく財産を減少させたり又は過大な債務を負担したとき
5.破産手続開始決定を遅らせる目的で著しく不利益な条件で新しい借金をしたり、クレジットカードで商品を買い入れ著しく不利な条件でこれを処分したとき
6.破産原因があるのに、ある債権者に特別の利益を与える目的で担保を提供したり、弁済期前に弁済するなどしたとき
7.破産手続開始決定前1年内に破産原因の事実があるのにそれがないことを信じさせるため嘘をついて信用取引により財産を得たとき
8.虚偽の債権者名簿を裁判所に提出し、または裁判所に対し財産状態につき虚偽の陳述をしたとき
9.破産者が免責申立前7年以内に免責を得たことがあるとき
10.破産法に定める破産者の義務に違反したとき
上記のいずれにも該当しないのであれば借金はゼロになります。ただ、実際はその判断が微妙なことも少なくありません。そういった場合に、画一的に免責になる・ならないという2つの選択肢しかないと柔軟性に欠けるということで、「一部免責」という取扱がされています。これは、例えば1000万円の借金のうち200万円を支払えば、のこりの800万円については免責をする、といった決定がなされます。
自己破産の申立てから免責決定までは裁判所や個々の事情によっても多少の違いはありますが、およそ3か月程度です。(ただし、管財人事件を除く)