ご家族の借金問題

家族が作った借金について、どうすれば解決へ向かうのでしょうか。

家族が借金をしていたら?
<目次>
1.肩代わりする必要はない
2.肩代わりしなくても協力できることはある
3.家族が隠れて借金しているかもしれないとき   

家族が借金していたら

親や兄弟、配偶者が借金をしていることが分かったとき、どうしたらいいでしょうか。
「借金を返せない」と相談をしてきた人が、親や兄弟姉妹、夫や妻、といった家族だったときは、自分も苦しい思いをしてしまうことがあるでしょう。
家族を完全に突き放すわけにもいかず、だからといって、自分の生活もあるので、借金を返すのに協力するのも難しい、苦しい状況に追い詰められてしまいます。
ご自身が「なんとかしてあげなければいけない」と深く思いつめないで済むように、解決の方向へ進めるために、早めに専門家にご相談ください。

1.肩代わりする義務はない

原則として、借金の返済義務を負うのは、本人のみです。(保証人になっている場合は、保証人にも返済義務があります。)

○息子・娘の借金について、親に返済義務は一切ありません。
しかし、親には子の扶養義務があり、子どもが生活できるように援助する必要はあります。この点が、借金返済の一部を負っているのと同じことに見えてしまうところもありますが、親が借金を肩代わりする義務は一切ないのです。

○父・母・祖父母の借金について、子に返済義務はありません。
ただし、借金を残したまま亡くなってしまった場合、借金は子に相続されます。
亡くなった家族の借金を背負いたくなければ、家庭裁判所に「相続放棄」という手続きをしなければなりません。
(あまり利用されませんが「限定承認」という手続きもあります)
そのため、後々のことを考えて、親の借金については、早めに整理できるように、専門家に相談をした方がよいと言えます。

「相続放棄」について詳しくは 、当事務所のホームページ、「長野相続あんしん相談室」ー相続放棄と限定承認ーをご覧ください。

○夫や妻の借金については、借金の原因により扱いが変わります。
遊び・ギャンブルなどが原因の借金は、本人だけに返済義務があります。
生活費・住宅購入などが原因の借金は、家族の借金として扱われます。そのため、一定の割合で返済義務が生じます。
つまり、夫婦が一緒になって返済しなければならないこともあるのです。
仮に、借金を免れるために離婚しても、借金の性質によっては返済義務が生じることになります。

詳しくは、ここが心配!>配偶者や子に請求がいくことはありますか?をご覧ください。

2.お金を出さなくても、協力できることはある

肩代わりする義務がないとわかっても、相談されたのにそのまま放っておくことで心が痛む人は多いです。

借金で苦しんでいる家族のために、できることを挙げます。

1.どれくらいの借金をどこからしているのか、はっきりとさせる
これから借金を返していくにあたって、どこにいくら返せばいいのかを明確にしましょう。

2.本人の収入と支出を調べる
借金の額がわかったら、借金している本人の収入と支出を調べて、借金返済にいくら回せるのか調べましょう。
支出を見直して返済可能な金額を増やせれば、借金が早く返せます。

しかし、1も2も、実際に行うには、本人にも家族にも、時間や心労が重く長くかかります。

借金の総額や本人の収入支出の見直しを、一緒に進めていってくれる、司法書士や弁護士といった信頼できる専門家に、早めに相談しましょう。

3.家族が隠れて借金しているかもしれないとき

家族から相談はされていないが、「もしかして、借金してるの?」と思ったときはどうしたらいいでしょうか。

○本人に秘密で借金を調べることは難しい。
たとえ身内であっても、法律で守られたひとりひとりの個人情報を侵害することはできません。
借金の額を正確に把握するためにも、本人の了解を得て、個人信用情報機関へ信用情報の開示請求を行うことをおすすめします。お早めに司法書士などの専門家へご相談ください。

○家族に直接聞くことは、解決への一歩です。
借金の返済が苦しい状況である人が、「もっと早くに家族と話し合っていれば、問題の拡大は防げた」というケースも多くあります。
ご家族によっては、こういった話し合いをするのは難しいかもしれません。しかし、もし借金の問題がある場合、本人と腹を割って話し合う直談判は、遅かれ早かれ必要となります。家族に直接たずねてみることは、問題の解決への第一歩です。